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「少年野球時代に育まれたリーダーシップ力が行政を動かした」【明石市 泉房穂市長・第7回】
投稿日 2023年1月25日 10:25:32 (未分類)
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前回からの続き。“子どもを核としたまちづくり”を掲げ、子育て世代の経済的負担軽減、ひとり親支援、貧困家庭支援、コロナ独自支援など、さまざまな支援策を打ち出してきた兵庫県明石市。リーダーシップを発揮し、陣頭指揮を取るのは泉房穂市長です。これまでの行政とは違う圧倒的なスピード感や実行力は、どのように育まれてきたのでしょうか。泉市長にお伺いしました。

前例踏襲主義、横並び意識の強い行政を変えたい
――泉市長は、在任中の12年間で「全国初の子育て支援策」や「明石市独自の20のコロナ支援策」をはじめ、さまざまな改革を実行されてきました。なぜここまでスピーディーにできたのでしょうか?
泉房穂市長(以下、泉市長):私が市長になってまずはじめに取り組んだことは、職員の意識改革です。これまでの市役所職員は「行政目線」で「上から言われたらやる」という感じでした。でも本当に必要なことは市民目線、地域目線。今、この地域に住んでいる人たちが何を感じ、必要としているのか。国の動きを待つことなく、地方こそがリーダーシップを発揮すべきだと考えています。
次に、横並び主義をやめる。「全国一律で動くのがいい」という風潮もありますが、地域の特性をいかしてそれぞれの地方の判断で行動すればいいと思います。たとえばコロナ対策のときは「明石市独自の20の支援策」などを打ち出し、実行しました。
最後に「前例主義」をやめる。なにをやるにしても「前例はあるのか」と言っていたら、前に進むスピードが遅くなります。新しい政治は、時代状況に即して、スピード感を持って臨機応変に対応する必要があります。日本の行政は、前例を踏襲し、周囲を見渡す横並び意識が強い。そんななかでゼロからやっていこうと思ったら、周囲を巻き込む強力なリーダーシップが必要です。
少年野球で育まれたリーダーシップ力
――泉市長のリーダーシップ力はいつくらいから育まれたのでしょうか?
泉市長:根底にあるのは「困っている市民を助けたい」という思いです。ただ、そのリーダーシップがどこからでてきたかというと……小学校の頃からですね。
私はいい意味でも悪い意味でも半端なくリーダーシップを発揮するタイプだったんです。小学校のとき野球チームに所属していて、そこで野球の大会がありました。私はどうしてもその大会で優勝したかったから、大人の監督にかわって、自分が監督を兼任したんです(笑)。
――子どもなのに監督までするってすごいですね!
泉市長:ははは。「優勝」という目的のために、6年生だけではなく上手な5年生も選手として出場させました。思い出作りのために6年生だけを出場させるのは違うと思ったんです。最後に私が逆転ホームランを打ち、チームは優勝。勝負は勝たないと!
そういう意味では、小学生くらいから“人事”的なことはやっていましたね。ある意味、私は冷徹だったんですよ。「友だちなんだから試合に出してよ!」と言われても「練習試合はいいけど、本番は勝ちにいく!」と言っていましたね(笑)。
適時適材適所に配置すれば人は自発的に動く
――たとえばこれを職場の問題と考えると、外された6年生のように試合で活躍できない人はどうしたらいいと考えますか?
泉市長:人には向き不向きがあります。スピードを求められるのが苦手なら、間違えず、正確に仕事をすればいいと思います。
私が市長になった頃は、部長や課長になるのは58歳、59歳といった定年間際になってからでした。しかし、子どもの政策を担当する部署をつくり、最初の部長は50歳ですし、30代で課長になる人も増えています。ようはこれまでのように年功序列ではなく、適材適所で人を配置することが大切です。やる気のある人を採用して、その人が力を発揮できるように環境を整えてあげるだけのことです。
明石市役所には、野球の大谷翔平選手やイチロー選手みたいな人がいるわけではないから、限られた人材でやりくりすることが大切です。
子育て世代の大幅増で「子ども部門」の担当職員を3倍に増やす
――泉市長が明石市の市長になってからどのような点を変更されたのでしょうか?
泉市長:明石市では、私が市長になってから「子ども部門」の担当職員を2010年に39人だったのを2021年に135人と3倍に増やしました(※1)。同時に、専門職として弁護士職員、福祉職なども正規職員として採用し、中央省庁や民間団体からも専門家を集めました(※2)。ありとあらゆる手段を使いながら人を確保し、その人たちと一緒に頑張っています。
明石市の公務員の比率は、兵庫県の市の中で最も少ないんです。少ない人数でも、「子どもの養育費立替事業」や「中学校給食無償化」など、「全国初」となる政策をかなりの数やっています。そのため明石市の職員の仕事量は、多いのかもしれません。ただやらなくていい仕事はどんどんやめています。それによってスピード感を持って、必要な政策を実行していくことができるようになるのです。
取材、文・間野由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・おんたま
Source: mamastaセレクト
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